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育恩の峰より
奥之院思親閣別当 望月 海俊
塔をたてて供養すべし(みのぶ誌2014年10月号より)

 思親閣は、孝心厚き大聖人を慕われる皆様と併せ、山歩きの方も大勢お越し下さいます。そして、よく質問されるのが三角点の場所。探しましたが見当たらず、国土地理院に問い合わせたところ、「身延山頂にはありません」と、簡単明瞭な答えを頂戴しました。
 またこの眺望に優れた山頂は、電波塔建設の立地条件として適している様子で、各種の公共の塔があります。
 さて、仏教殊に法華経において「塔」は大切な役割を担っておるところですが、ストゥーパやチャイティヤと称される仏塔や霊廟という礼拝物は、やがて卒塔婆供養として私たちの身近なものとなりました。それは、仏や故人を慕い敬う心の現れ、また救いでもあります。
 大聖人が幼くして世を去った姫御前の供養の為に、佐渡より詣でた中興信重に託したお手紙があります。そこには「幼子の十三年に、丈六の卒塔婆をたてて、おもてに南無妙法蓮華経の七字を現してをはしませば、北風吹けば南海の魚その大海の苦を離れ、東風きたれば西山の鳥鹿その風を身にふれて畜生道をまぬかれて都卒の内院に生まれん。況んやかの卒塔婆に随喜をなし、手をふれ眼に見まいらせ候人類をや。過去の父母も卒塔婆の功徳によりて、天の日月のごとく浄土を照らし……」と、卒塔婆供養の尊さをお示しです。
 特別な供養の折には杉塔婆といって、葉のついた生木を用いるところがあるとか。当院のお手植杉に触れて感じる温もりは、まさに大聖人のご両親追慕の御心と言えましょう。

 追記
 本年2月の大雪による水屋の倒壊、敷石の破損の修繕を始めさせて戴きます。皆様方のご協力をお願い致します。詳しくは思親閣迄お問い合わせ下さい。
0556(62)0686