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育恩の峰より
奥之院思親閣別当 望月 海俊
悲母の大恩ことに報じがたし(みのぶ誌2015年2月号より)

 境内に仮置きされた倒壊水屋に触れ、ちょうど一年前の大雪、そして各地で起こった自然災害を思い出しています。節分追儺会には、追儺の字のごとく、人にかかる難の追い払いを念じたいと思います。
 さて、2月16日は日蓮大聖人生誕のご聖日。古来より法華経が尊ばれ、講義講釈は多々あれども、これほど法華経が流布され信奉されているのは、大聖人が生を受けたればこそであります。そして、その大聖人を健やかに養育なされたご両親に対しても感謝の念を禁じ得ません。
 大聖人は、世の人を救わんという大願のために親元を離れましたが、両親敬慕の念は生涯にわたります。その尊い孝心は父母の恩を重ねられたお手紙や、殊に身延山頂での風雨いとわない望郷唱題のお姿からも拝察されるところです。また、千日尼御前御返事には「父母の恩の中に慈父をば天にたとえ、悲母を大地にたとえたり。いづれもわけがたし。その中、悲母の大恩ことに奉じがたし」と続き、母への深い想いが窺えます。
 母親は、子を宿せば10月10日行坐臥安からず、お産の苦労後も、肌身離さず・手を離さず・目を離さず・心を離さずにと成長に合わせ子を見守ります。その恩を忘失してはいないかと、大聖人の孝心を偲びつつ振り返りたいものです。

◇日蓮聖人御母、妙蓮尊尼第750遠忌報恩浄行として、平成27年4月より「母への手紙」を募集致します。手紙は御母堂様の健康祈願及びご供養を施し、新規建立の納経塔(知恩報恩塔、平成28年完成)に納め、永代育恩の峰に残したく存じます。
 詳細は思親閣にお問い合わせ下さい。
 尚、雪害による修復事業浄財のご協力を重ねて宜しくお願い申し上げます。