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育恩の峰より
奥之院思親閣別当 町田 英昭
節分を迎えて(みのぶ誌2018年2月号より)

 2月は、節分追儺、豆まきの季節です。節分とは季節の変わり目で、立春、立夏、立秋、立冬と4度ございますが、その前日を節分と呼んでいます。
 古来より、季節の変わり目には邪気(鬼)が生じると考えられており、それを追い払うための悪霊ばらいの行事が執り行われ、特に現在では、春の節分の日に全国の神社仏閣では、著名人が参加して福豆が撒かれています。
 さて季節に節目が在るように、私たちの人生にも節目が御座います。人生の節目と言いますと、卒業式や成人式、そして結婚が代表として挙げられると思いますが、その人生の節目に於いて、種々の制約が課せられたり、規制が強化され、全てが自己の責任の上で、歩いて行く事となります。
 お釈迦様は、修行に就いて「愛欲にふけること、苦行に体をさいなむことこの極端から離れる事」と、お教えになられました。
 また、日蓮大聖人は「病の起こる因縁を明すに六あり。…二には飲食節ならざるが故に病む…(太田入道殿御返事)」と、御教示されました。
 仏道修行で大切な事は、極端を離れた節度の中で、継続的な修行が大切であると教えています。また昔から「腹八分目」と言って、暴飲暴食は、かえって健康を害すると戒めています。
 身延山は、日蓮大聖人の御遺言に従い、御霊を祀る祖山であるが故に、大聖人ご一生の中でも身延入山は大きな節目と言えます。そして奥之院思親閣は、晩年9か年間中、風雨いとわず御登山なされ、ご両親様を追慕ご回向なされた霊場なのです。
 季節に節目が有るように、人生にも「節度」と言う節目が在り、人生航路を大きく左右します。力まず、慌てず、怠けず、継続的な精進の中で、素晴らしい人生を送って頂きたいものです。

合掌