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育恩の峰より
奥之院思親閣別当 町田 英昭
令和元年 黎明の大祈祷会(みのぶ誌2019年6月号より)

 鬱陶しい梅雨の季節、そして新しい令和の時代を迎えて、1月が過ぎましたが、誌友の皆様方には愈々ご健祥のことと存じます。
 奥之院思親閣は、ご承知の通り日蓮大聖人がご両親様、お師匠様を追慕、感謝の誠を捧げられました育恩の聖地として、多くの方々の信仰を集めております。
 私たちは、誰もが両親から生まれ、そして両親もまた両親から生を享けました。私たちは、10代遡ると1,024名、20代遡ると1,048,576名もの、多くのご先祖様が居られます。100万を超えるご先祖様の誰一人が欠けても、今の自分の存在は在りません。
 私たちの生命は、「奇跡」の上に今と言う時間が在ります。「不思議な縁」の上に、私たちは生きているのです。
 日蓮大聖人は、『事理供養御書』の一節に「命と申す物は一切の財の中に第一の財なり」と申され、生命は何ものにも代えがたい、最大一の宝であり、その財を授けて下さったご両親への報恩感謝の気持ちを肝心とされ、身延山の山頂にお立遊ばされました。

令和元年 黎明の大祈祷会
 5月1日午後1時より、奥之院思親閣では、元号改元に伴い「令和元年、黎明の大祈祷会」を奉行いたしました。
 30有余年の平成を結び、新たな令和の幕開けにあたり、国家のご安泰、生きとし生けるものの平穏、輝かしい新たな時代を願い営まれた大祈祷会は、境内で水行が修された後、祖師堂で日蓮大聖人に額ずき、お開帳式の中で併せて法楽加持を行い、法味を言上いたしました。
 当日は、生憎の天候となりましたが、大祈祷会に参列された方々は、標高1,153メートルの山頂育恩の鷲峰に於いて、改元黎明の一歩を刻み、新たな時代の幕開けを祝福いたしました。

合掌