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光明照世間
七面山別当より別当 望月 成浩
一歩一歩(みのぶ誌2018年7月号より)
 山を登る時、先を急いでどんどん登る人がいます。初めのうちは、人よりも一歩も二歩も先に立ち、元気いっぱい得意気に登っておりますが、やがて疲れが際立って、休む回数が多くなり、あとから来た人にどんどん追い越されて行ったりすることがあります。山登りの達人というのは、肩の力を抜き、登ろうとする気負いを捨てて、今、踏みしめて登るこの一歩を、ただただ無心に一歩一歩足を運んで行くのだそうです。それと同じように、人生もまた、特に信仰も、目的だけを追いかけて、脇目もふらず、真剣、ガムシャラに突き進むことが必ずしも良いといえない場合があるようです。
 もちろん、怠けたり、いいかげんが良いというのではありません。しかし「がんばる」とか「マジメさ」とかいうのも、度が過ぎると、そのために、周りの景色やその他の色々なものが目に入らなくなり、また、心に届かなくなるようです。視野の狭い、例えば馬車うまのようなマジメさ、それがひいては偏狭さとつながるとすれば、それはある意味で大変危険だとさえいえるでしょう。
 信仰する人というのは、逆に、自分が人より勝れていたり、先んじたりする特別の人だという気負いを捨て、たとえ、どんな能力があり、勝れている面があるとしても、まず何よりも、ごく普通のことに感謝できる人でなければならないのではないでしょうか。
 当り前に生まれて、やがて死んで行く、そして、腹が空けば辛いし、寒いとか痛いとか逃れることの出来ない生身の生きものの一人であることを心底から自覚することから出発して欲しいと思います。
 さて、時代の大きな変化を感じる今日、あらためて七面大明神にご守護を頂くためには、法華経の教えの通り、目の前の困難を人のせいにせずに、自ら乗り越えていこうとする姿勢が大切であります。まさに、七面大明神に導かれ一歩一歩を大切に踏みしめて御参詣されることを願っております。
合掌

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