1. HOME >
  2. 七面山登詣案内TOP >
  3. 光明照世間 >
  4. バックナンバー >
バックナンバー
七面山別当より別当 長谷川 寛清
感激の和光門(みのぶ誌2012年3月号より)
 七面山の参道は、何度登っても、もう慣れたということはありません。50丁ひたすら登るこの道は、少しでも七面大明神に早くお会いしたいというまさに修行の道であります。それゆえ、また七面山に到着した時の感激はひとしおです。2丁目の神力坊、13丁目の肝心坊、23丁目の中適坊、36丁目の晴雲坊と、途中の坊で休みながらやっとのことで、46丁にたどり着くと、突然視界が開け、山中に数メートルもある大きな門が現れます。「和光関」と扁額に記されたこの門を前にして、誰もが七面山に自分の足で「着いた」と実感する瞬間であります。
 和光門からは、食事も精進潔斎の神域であり、門の先には、47丁、48丁の一直線の坂道が続いています。両脇の杉木立、燈籠は、あたかも参拝者を迎える諸天諸菩薩の様でもあります。この先に七面大明神がおいでになることは、信徒は勿論、登山の方であっても実感することでしょう。
 昨年2月より発願した七面山本殿・和光門等改修報恩事業は、多くの方々のご支援ご尽力により、本殿を中心とする第一期改修工事を終えました。実は、施工業者の金剛組の調査では、和光門が見た目より一番傷んでいるとのことであり、雪解けをまって、和光門を中心とした第二期改修工事を行います。
 あらためて和光門の歴史をひもとくと、大正元年の再建工事以来、今年の改修が丁度100年目の節目を迎えることが分かりました。誠に不思議なお導きだとありがたく思います。100年前、明治以来の神仏分離、廃仏毀釈の嵐の中でひたすら七面大明神のご加護を信じ、和光門を建て直し、七面山を守り抜かれた先師先哲の艱難辛苦が胸を打ちます。
 和光門という名前には、神仏共に法華経の高い教えを慶び、殊にその教えに縁のある人々を救おうとされる七面大明神の慈悲の心が込められています。この秋、100年ぶりに甦る和光門の完成を期し、本年一人でも多くの方々が、和光門を通り、苦難の時代を乗り越え、七面大明神にご守護されるよう、ご登詣をお待ちしております。