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七面山別当より別当 望月 浄教
お彼岸の御来光(みのぶ誌2016年3月号より)
 長く続いた冬もようやく力を弱めて参りました。摩尼珠の峰七面山山頂に於きましても、日増しに早くなる御来光の時間に、春の訪れを感じております。特に春彼岸の中日に御登詣修行をなさる御信徒の皆様に於かれましては、御来光を楽しみにお見えになる方も多くいらっしゃいます。
 お彼岸の中日の御来光は、千葉一宮、玉前神社より出でて、霊峰富士山頂より随身門を通り本殿までに至ります。そのお姿は「ダイヤモンド富士」とも呼ばれ、琵琶湖さらには出雲大社を照らしながら通り、遍くその御威光を届けて下さるのです。
 この日は普段よりもお勤めを早く済ませ、私共も遥拝場に参ります。3月とは言え、未だ雪の積もる参道50丁を一歩一歩と踏みしめながら御登詣頂き、御来光を拝することを心待ちにして御参籠頂いた、大勢の御信徒の方々と共に唱題修行をさせて頂くのです。
 夜明け前の、山頂の寒冷の内より団扇太鼓を叩きながら、御信徒の皆様と共に手を合わせ、唱えさせて頂く御題目。澄み切った空気の中、山々に響き渡るその声は、富士山、さらには御来光に届かんばかりです。そして空が次第に明るくなり、にわかに御来光がそのお姿を現した瞬間は、御信徒の方々の歓声、御題目を唱える声、一心に手を合わせるお姿、あるいは写真に収めるようとする方、そして身に降り注ぐ温かさと相まって、言い尽くせないほどの有難さを感じます。それから、御来光を共に拝した皆様が一丸となった喜びと感動に包まれながら、各々御下山されていきます。御親族の方、身近な方にその感動をお伝え頂いていることでしょう。
 七面山では御登詣頂くたびに、不思議な御差配やお力を頂けます。皆様自身が体験されたこと感じたことを心に保ち、御修行されることで、七面大明神の御加護を益々強く頂けることと信じております。
九拝

※参籠修行・お開帳・各種祈願回向・本願人制度等のお問合せ
   七面山敬慎院
   電話 0556−45−2551