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七面山別当より別当 内野 光智
いつまでも修行の御山(みのぶ誌2020年1月号より)
 新春を迎え七面大明神棲神、摩尼珠の嶺より謹んでお慶びを申し上げます。
 山の上とは言えど別当就任時は思いの外暑く、汗をかきながら過ごしておりましたが、4か月が経つと朝の気温はマイナス10度を下回り、一ノ池の御水も凍り諸堂の軒には氷柱が垂れて凛と心身を引き締める静寂の世界となりました。
 平成から令和に元号が変わりましたが、お山の上の季節の移ろいは昔から変わらず、この冷たさゆえ先人たちも一心不乱に修行に打ち込んだ功徳の詰まるお山なのだと肌身に感じ御給仕を七面大明神に申し上げている次第でございます。
 先日、停電になっても暖が取れるようにとダルマストーブを4台奉納して下さった方がおられました。
 また、本殿でお参りするのに寒くないよう膝掛100枚や使い捨てカイロを奉納してくださった方、お米を沢山奉納して下さった方、お野菜を沢山奉納して下さった方、ワカメを沢山奉納して下さった方、お菓子を奉納して下さった方、冬の参道でも登り下りで負担を軽く安全にお参りができるよう靴に着ける貸出用アイゼンを奉納して下さった方、大きな注連縄を諸堂に奉納して下さった方、お花を奉納して下さった方などがいます。皆様が七面大明神に気持ちを向けて下さるおかげで山務員・従業員も恩恵に預かり絶え間なく御給仕に勤しむことができることありがたく感じます。冬場は寒く参道も心配だからとお参りに二の足を踏む方も多いようですが、これだけ環境が整った修行場なので安心して御来山頂き、平素味わえぬ荘厳な静寂さに触れて気持ちを新たにして頂ければ幸いに存じます。
 昔、このお山で修行をなさった先人たちは何を食され命を繋いだのでしょうか。木の実・草の実を食されたのでしょうか。
 七面大明神、また多くの皆様の慈しみの御心に感謝し令和2年、人々の心が安穏に、社会が平和となるよう努めることを御報恩として山務員・従業員一同邁進致します。